Just a Moment - ep.16 "Seen from the Sky"
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 じゃあなと手を振った姿は、いつもと変わらなかった。
 でも、私の悩みを聞いてくれたから、彼の気持ちは変わっただろう。
 最後には彼らしくおどけたのが、あまりにも当たり前すぎて、止まった涙がもう一度出そうになった。
 私は、もっと頑張れる。
 彼が、みんながそれを望んでる。
 いや、そうじゃなくたって。
 変わっていく中で取り残されることなんてあるはずがない。
 並行に、前へ進まない方向に変わっていっているだけかもしれない。
 止まっているように見えたって、それはある角度から見れば確実に進んでいる。
 その魔法の言葉が魔法の言葉と呼ばれないわけは、実質意味がないからだった。
 気休めでも、嘘でも構わない。
 彼女の強がりは、もう必要ないということ。
 ――君のサポートも、ね?

「こんなにいっぱい来るんだねー」
 バタバタしていた12月ももう下旬にさしかかろうとしていた。
 トルクウェーレが校内で単独のクリスマスライブを行う日だった。
 私は先輩全員に誘われたし、今更行かないわけもなかった。
 沙希や渡先輩と共についた席から見渡すと、学年問わずそれなりにたくさん人が来ていた。
「まあトルクウェーレを見るのは久しぶりの人もいるだろうし、こんなにゆっくり演奏できるのも初めてだろうからね」
 先輩たちはみんな人望が厚い人ばかりだ。普通の友達だけでもたくさん来るんだろう。
 トルクウェーレはファンが多いからそんな程度じゃないみたいだったけれど。
「もうすぐ始まるかな?」
 消された席の電気。
 かすかに光を反射した楽器が見えて、私ははっとして桂先輩の姿を探した。
 真剣な横顔が通り過ぎて、鼓動が高鳴る。
 交錯する思いの中で……葛藤の中で、先輩たちが出す答え。
 それがトルクウェーレだと、桂先輩は言った。
『自分の気持ちに自信を持てるようになったから、俺も佑みたいに、正直に気持ちを伝えたい』
 その意味は、薄々わかっているような、わかっていないような。
 お兄ちゃんと三人で話しながら帰る道は、もやもやを抱えて一人で帰る道より全然楽しくて。
 まだ、二人きりが怖いという思いは、桂先輩の中にも、私の中にもあるみたいだった。
「みんなー。始まっちゃうから盛り上がるのはそれからにしてねー」
 清香先輩の声でざわめいていた客席が静まり返る。
 間もなくして最初の曲が始まる。
 照明がついて現れた五人――いや、六人。
 彼女を認めたときに聞こえ始めたバイオリンの音。
 彼女は、ウジ先輩の……。
 お兄ちゃんはギターを持たずマイクを握っていた。
 いつもより新鮮な演奏に、どきどきした。
「こんにちは! トルクウェーレです! 一曲目は『明日』でした。なんと! 今回限りで新メンバーがいます。バイオリン、亜子!」
 曲が終わって、お兄ちゃんのMCで紹介される彼女。ぺこりとおじぎをして笑った顔は、人形みたいでかわいかった。
「亜子はウジが連れてきてくれたんだけど、まあ細かいことはお察しください。っつーことで……。今回俺たちは新曲を二曲持ってきました! 一部の曲はwith亜子バージョンで演奏します。そんなワケで、次の曲は? ウジ君」
「え? そこで俺にまわすか? ――えーっと、この曲は歌詞的には夏の曲なんですけど、実は俺は冬をイメージして作ったっていう、ね。俺と佑との食い違いが発生してしまった曲です」
「結果的に良い曲だしいいんじゃない?」
「ま、そういうワケです。……『ノウゼンカズラ』」
 そんな感じでさくさくと進んでいく。
 文化祭で演奏していた曲は、私も知っていたから、楽しく聴けた。
 落ち着いた表情で、それでも楽しそうな桂先輩を見られたから、それだけでも満足できた。
「次で最後の曲です! はい、そういうわけで、ずっと黙ってた桂クン」
「はーい……。また一曲歌うことになっちゃいまして、しかも歌詞も書かせてもらっちゃいました。――俺の、今の気持ちです。聴いてください。『Words for Love Your Heart』」
 衝撃だった。それは、優しいものだったけれど。
 少し恥ずかしそうにはにかんで歌いだした彼と、目が合ったような気がした。
 ――いや、合っていた。彼は、私の目を見ていた。
 今の、気持ち……。
 お兄ちゃんのように、とは、こういうことで。
 その気持ちは、勿論。
 盛大な拍手と共に終わったライブの後も、私はしばらく動けないでいた。

 『待っててくれる?』というメールをもらったから、私は片付けをしている間、席に座ってそれを眺めていた。
「お疲れー」
 片付けが終わって、帰ろうというときに、お兄ちゃんが私の方をちらりと見たけれど、そのまま清香先輩と一緒に出て行った。
「お待たせ」
 ベースを背負って歩いてきた桂先輩の顔を見上げる。
「来てくれてありがとう」
「いえ、楽しかったです」
 最後の曲の真意は、聞けない。聞くべきことじゃないかなって思えた。
 穏やかに微笑んだ彼と歩き始めた。
 ふと、冷たい右手に暖かなものが触れた。
「冷たい。……ごめんね、待たせちゃって」
「大丈夫です」
 そんなことよりも、あなたの左手が嬉しくって。
 どきどきしていて上手いことが言えない口を憎んだ。今、話だけ聞けば、全然ぎこちなさしか感じなかったから。
 真っ赤な顔が恥ずかしくて、前を向いてただ自分の白い吐息を見つめる。
 始まりは、夏の日だった。もうすっかり寒くなってしまって……。
 色々あったけれど、今、私がこうしていることが嬉しかった。
「明凛、あのね」
 桂先輩は、あの日から呼び捨てで私を呼んでくれる。
 少しでも間を縮めようとしてくれるのかな、と思う。
 けど、私に彼をそのまま呼ぶ勇気はなかった。
 いつか、いつかって。そんな風に思ってしまっている。
「もう一回だけ逃げさせて。明後日……。パーティのときまで、待っててくれ。俺の中でも、もう少しだけ整理したいんだ」
 少しだけ初々しく、そっと触っているだけの右手に、桂先輩の指が絡められた。
「大丈夫、です。……私は、一応、もうちゃんと聞きました」
 待って、待って、って言っていたのは私の方だったのに。今度は彼の方がそういう風だった。
「違うんだ。俺の方が、もっとちゃんとはっきりさせなきゃって思うんだ。……言いたいこととか、まだたくさんあるから」
 辛いんだろう。彼にとって難しいだたはずだから。
 でももう後戻りなんてさせない。いつまででも私は、待っている。あなたの道と一緒になるまで。
「ゆっくりで、いいんです」
 嘘つき。今すぐにでも聞きたいって、思ってたくせに。
 たくさん甘い言葉が欲しい、だなんてね。


 天気予報は、少し寂しい結果になった。
 今年は積雪が多いということだったから、もしかして、って思っていた。
 一番幸せな日に雪が降ったりするならそれほど幸せなことはないだろう。
 それに、私は、もう――。
 こんなことを言うのは野暮だろう。雲ひとつない、綺麗な冬晴れの空を見上げた。
「なーに、感傷的な顔してんだ。今日はクリスマスだろ?」
 後から出てきたお兄ちゃんに頭を小突かれた。
 本当に……そうだろう。
 私はずっといらない不安ばっかり抱えて、楽しむことも楽しまないで。
「うん!」
 逆にお兄ちゃんのおでこを突っついて、スキップで踏み出す。
 明るい気持ちになれるのは、たくさんの事のおかげ。
 もちろん、お兄ちゃんの存在も。

「おっはよー! 明凛ちゃん♪」
 真っ先に大きく手を振ったのは清香先輩だった。駅前で、ぴょんぴょん跳び跳ねて、かわいいけど視線を浴びている。
「なんだい佑クン? 嫉妬でもしてるのかね?」
「ちげーよ。……他の人は?」
 にやけ顔でお兄ちゃんにつっかかった彼女は、なーんだ、と笑った。
「もうすぐ来るんじゃない? あ、桂と稜、美紗は買い出し行ってるよ」
 今日は、トルクウェーレのメンバー、沙希と渡先輩、稜君、小高先輩、あと亜子先輩と、稲井さんと私の十二人。
 なんかすごくアレな意図を感じるけど、それで良かった気もする。
「おはよ、明凛」
 沙希と渡先輩も来て、続々と人が集まる。
 全員揃ったところで、桂先輩、稜君、小高先輩の三人がやって来た。
「みんなおはよう。細かいことは色々あるけど、寒いしまずはうちに行こうか」
 こんなに大人数で歩くのは、なんだか部活帰りとかみたいで。
 部活をやってた頃がずっと前のように思えた。
「ケーキ焼いたんだ。でかいの」
 嬉しそうに話す桂先輩が、ちょっと子供っぽくて、純粋に笑えた。
 楽しみだな……何もかも。
 彼が出してくれると言った答えも。それで、私がどう思うかさえ。
 暖かい陽の光は冬だということを忘れさせていた。

「メリークリスマス!」
 清香先輩の声で乾杯をする。
 赤坂家は想像以上に広くて、リビングとダイニングがつながっているから、十二人が楽々座れた。
 桂先輩が作ってくれたサンドイッチなどの軽食をつまみながら大勢で色んなことをした。
 プレゼント交換で、私はクリスマスデコレーションのカップケーキを回した。
 ウジ先輩がもらってくれて、亜子先輩とおいしく、かわいく食べてくれた。
 私がもらったのは渡先輩のだったんだけど……。えーと、なんともコメントしがたい謎のキモカワストラップをもらった。
 トランプで遊んだり、テンションが上がっちゃったお兄ちゃんと渡先輩が一発芸大会を始めたり。
 更にテンションが上がっちゃったお兄ちゃんは、ウジ先輩を無理やりハモらせてアカペラ熱唱しだしたりした。
 なんだかんだみんな笑ってたけど。
「明凛、外行かない?」
「えっと、いいですけど?」
「ちょっと……ね」
 いたずらっぽく笑って、桂先輩は私を連れて席を立った。
「ちょっと外行ってくるよ」
「おーう、熱いねェ!」
 ヘラヘラと手を振ったお兄ちゃんを軽くスルーして、もうすっかり暗くなった外へ踏み出した。
 綺麗に晴れている空を見上げている私の右手を、桂先輩がしっかり握って、肩を寄せた。
「寒いね」
 人の温もりが、一番あったかいなって思えた。
 彼の寒さからか恥ずかしさからか、赤くなった頬が、少しかわいく見えた。
「今日、晴れてよかった。……今からね、とっておきの場所に連れて行くよ。俺と、稜と、美紗の秘密の場所」
 そっか、そういえば。
 私には見慣れない街も、彼にとっては見慣れた故郷で、それが変わっていく中で自分も変わっていく。
 共に成長したものがあることは、自分を振り返るきっかけを与えてくれるって、私は知ってる。
 お兄ちゃんの昔を思い出せば、自然と、自分の昔も思い出す。泣き虫で、素直で、臆病で。
 そして、今のお兄ちゃんの成長したところを考えると、私の成長もわかる。
 桂先輩にも私にも、そういう存在がたくさんある。
 それを共有し合うことは特別なことだけど、それを特別に扱うかどうかは、個人にかかっている。
 幼なじみとか兄弟って、そういうものだと思えた。
 住宅街の細い路地を抜けて、小さな森のような公園にたどり着いた。
 坂になっている公園の奥は、ちょっとした崖みたいになっているようだった。
 木をかき分けて、更に進んだ先には、少しだけ開けた場所があって、街を眼下に見渡せた。
「かくれんぼしてるとさ、こういうところ見つかるよね。……あのね、俺がここがすごく好きな理由はね、ほら」
 桂先輩が指差した上空には――。
 びっくりするくらい綺麗な星がたくさん瞬いていた。
 こんな街中で、こんなにたくさん見られるなんて。
「こっちの方角では一番高いところだから、空を何も邪魔してないだろ。ちょっと外れてるから、街灯もない。……よく、悩んだときは一人でここに来たんだ。家出……って言えないのが寂しいけどな」
 でも、稜君は、小高先輩は、きっと探しに来てくれたんだろう。
 こんな場所で、ちっぽけな一人で……。
「『Words for Love Your Heart』。――もう気づいたかな」
 あなたを愛すための言葉。桂先輩が歌ったそんな歌。
「空から見えた小さな二つ。空に瞬く無数の希望。俺、この場所の不思議な解放感を伝えたかった。……誰よりも、明凛に」
 彼の顔を見ることはできなかった。
 満天の星空を見た瞬間から、心から込み上げていたもの。
 温かなそれは、すぐに冷たくなって伝った。
 右手に保ったままの感触をぎゅっと握り締めて、私はうつむいた。
「伝えられることじゃない、とかさ。かっこつけたけど、それが全部だ。俺、何て言っていいかわかんない。この気持ち、さ……」
 もう、いいのに。
 聞かせてほしい、とねだった私に、桂先輩は聞かせてくれた。
 だから、わかっているもの。
「一目惚れしたんだ。でもそんなのおかしいって、あの日帰ってからそう思った。きっともうそんなに接点もないだろうし、忘れよう、とか思った。稜のことも怖かった……。また俺の欲しいものを目の前にで掠め取られるかと思うと、ならいっそのこと望むこともしたくないって。正直、さ。稜と比べたときの自分に自信、なかったんだよ……。稜も別に家事ができないってわけじゃない。勉強もできる。運動は俺よりずっとできる。性格もさばさばしてるし、俺みたいに逃げたりしない……。けどさ、佑が俺を励ましてくれた。そこで諦めたいのか、って怒ってくれた」 
 全てを吐き出すように話す彼に、何か言いたかった。けれど、私の気持ちが、落ち着かなくって。
 私も彼も弱気だったのに、こんなに幸せになれたのは、なんでだろうって思うと、もう何も言えなくて。
「今は、もう大丈夫。佑が俺のためにしてくれたこと、無駄にしたくないから、覚悟決めて、自分から色々動いた。だから、もう逃げない」
 もう一度だけ、と言った。
 それまで何度、彼にとっての『逃げ』があったかはわからない。けれど、私はそれで悲しんでなんかない。だから、もう言わないでほしかった。
 でも、私はもう、稜君や、以前の桂先輩に見せたような積極性を発揮することはできなかった。
「……はは、言わせてくれよ」
 ちょっと笑って、彼は私の頭を撫でた。
 涙をやっとの思いで拭いて、観念して顔を上げた。
 彼の目を見つめているのが、辛い。どんどん高鳴る鼓動が痛い。
「俺は、明凛が好きだ。もうずっと前から。君の全部が好きだ。――たくさん感謝もしてるし、これからは俺が明凛に何かしてあげたい」
 冷えた彼の手が、火照った私の頬に触れた。思わず口元を緩めると、それが合図のように彼は私の首に腕を回した。
 温かい。この前感じたものより、ずっとずっと。
 私は、この温もりをずっと求めていた。
 たまに抱きついてくるお兄ちゃんでも、お母さんでも、女友達でもない。
 違いがあるかと言えば、同時にすることはできないから、わからないけれど。
 星空が見守る中で、私はまた一つ幸せに出会った。
 これが、今日が晴れて良かったって思えた瞬間。
 そう、一瞬だった。

「兄貴なら、多分公園に行きましたよ」
「なるほどね。アイツもずいぶん吹っ切れたよなぁ」
 二人が出ていった後、家の中の空気は少し変わった。
 このカップルを意図的に集めたパーティーの中で、アイツらが一番最初に動き出したから。
 ……まぁ、それに感化されたのか、こっちもずいぶんアレな感じになっているが。
 キーは稲井さんを抱き締めて寝転がってるし、まあこっちはずっとだが、ウジと亜子、沙希ちゃんと晴善は二人でしゃべってる。
 稜と美紗は……。まあ、さすがと言うべき落ち着きだ。
「ユーウー?」
 先ほどまでウジにちょっかいを出していた清香が近寄ってくる。
「ねー、チューしよ?」
「バッ!?」
「冗談だよ」
 ……心臓に悪いからカンベンしてほしい。
「佑って見かけによらず清純派だよね」
「そんなことあるか。お前が言うからビックリしたの」
 いたずらっ子の顔で笑った清香の頬は、少し赤かった。
「ほら」
 腕を広げて手招きする。彼女は明凛と違ってすっぽりサイズではないけれど、それでも抱いてる心地がしない細身は、その、女の子だ。
「桂、桂なりに明凛ちゃんを喜ばせたかったんだろうね」
「あぁ。アイツ今頃嬉し泣きしてるぞ。昔っから泣き虫だから」
 空から見れば小さな二つ。俺から見ても同じだよ。
 そして、お前から見れば俺たちも同じ。そう、同じ。
 迷わないで道を進める人間はいない。
 ただ一瞬に決まったことだって信じなければならないときもある。
 それに気がつかなくても、いつの間にか違うレールに切り替わっているなんてこともあるだろう。
 そこでいかにして生きていくか。そこでいかにして進んでいくか。
 わからないからためらいも悩みも生まれる。しかし、わかれば素敵なことだろう。
 わかる、とは、信じることかもしれない。


「俺と稜、やっぱりおじさんのところに引っ越すことになった。……あ、安心してね。すぐ近くだから転校とかはしないから」
「……はい」
「ど、どうした? そんな顔して」
「嬉しいんです。って言うか……良かったなぁ、って」
「……明凛はいい子だね」
「桂先輩こそ」
「――桂って呼んでくれないか?」
「……桂。――私、お兄ちゃんですら名前で呼ばないですよ」
「嬉しいな」
「はい」
「……明凛、もう一回」
「桂、大好き、です」
「――俺も」

君の笑顔が 優しい声が
涙に映る光のように
悲しい美しさを持っているから
その心ごと愛せたら

空から見えた 小さな二つは
まるで誰にも気づかれないけれど

暖かな愛を抱えているんだ
伝えられることじゃない この拙すぎる唇では
ただ紡ぐ言葉で君を愛すために


君の言葉が全ての事が
僕の心に沈む灯
その暖かさに触れられたなら
永久に消えることはない
空に瞬く無数の希望は
僕らを照らしてもくれないけど

君だけが僕の明かりなんだ
伝えられることじゃない その野暮すぎる言葉では
今 君の心を愛すための言葉を


空から見れば 小さな二つに
月の光も届かないけれど
暖かな愛を抱えているんだ
伝えられなくてもいいと この震える唇には
ただ紡ぐ言葉も君を愛すためのもの

君だけが僕の明かりなんだ

今 君の心を愛すための言葉を

Words to love your heart....



Seen from the sky,they would look only "Two".

Just a moment.

We are so happy.

And how about you?


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